商社マン シニア活用

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連載企画  「シニアの活用


シニアの活用 その3                      10/09/1

―シニア自身から見たシニア活用についてー  



今回は、シニア自身から見たシニア活用について考えてみたいと思います。 
とはいえ、シニアといっても年齢層(S-1からS-5まで)は幅が広く、会社での立場、
積みあげてきた経験、働く業界の環境が違うわけで一概に論じられないことも確
かなことと思われます。

そこで、先ずはシニアの管理職として雇う側からみたシニアの雇用ということを
考えてみたいと思います。

事業会社の経営層として出向した経験をお持ちの方も多いと思いますが、
その時、プロパーのスタッフの採用、雇用を決定する立場にあることを想定する
と事は分かりやすいかもしれません。

応募者からの履歴書等の選考書類を見ている中でここではS-1世代(45歳-49歳)
の応募者を例にとって何を考え、感じるかと言うことを検討してみることになります。

応募者の年齢が30歳台であれば、主に本人の経験、能力の方に注意が
向けられます。 転職の理由も考慮材料になるでしょう。 又、転職の回数も
判断材料になるかもしれません。 初めての転職が好まれるようです。


では、40歳台後半の応募者についてはどのような反応なのでしょうか。
もちろん、本人の経験、能力については十分検討することは間違いないのですが、
転職の理由も判断のキーになってきます。 

今まで勤めていた会社の業績が悪化した等の会社自体の環境変化による
退職、転職は問題ないのですが、会社内部での人間関係等から転職を希望
する場合(もちろん、このような理由をはっきり伝える応募者は少ないと思い
ますが)雇う側としては同様なことが自分の会社でも起こるのではないか
と懸念するわけです。

又、年齢的には大黒柱として家族を支える不惑の世代です。年収的にも、
そして能力的にも30歳台の応募者よりは高いものとの前提で考えられ
なければならないことになります。 
雇うことによる費用対効果の問題がよりシビアに出てきます。

更に、もしも、自社の会社に不適合、相性が合わない、能力的に不十分と
いうことが入社後判明した場合、その対応策が次の問題ということになります。

30歳台であれば、再就職の市場は広く、チャンスも多いという前提があり、
雇う側としては本人の自己努力で更なる他社への転職、社内転職(職種を
変更)等道を拓いていくという柔軟な対応、所謂「潰しが効く」ことへの期待感
があります。 

一方、40歳台後半ということになるとこの辺の柔軟性がやや薄れ、転職した会社
に不適合のまま「しがみつく」といった事態も懸念することになります。 

その意味では40歳台後半の方が実力を読める(即戦力としての期待)部分と
間違った場合のリスクを天秤に掛ける度合いが強まるということです。

以上の雇う側の事情もあり、結果的には30歳台の転職の方が自由度は高く、
40歳台後半では実力勝負という図式が見えてきます。

更に、年齢を上げて50歳台のシニアを雇うことを想定した時にどのような話になるか
は次回以降に譲りたいと思います。 

又、現在の転職市場での「シニア」は実は40歳(時には35歳)を境にしているのが
現実ではないかと思われます。 

この現実を雇う側の視点からシニアご自身は体験しているわけですが、反対に自分
が雇われる側に立った時に、以上の話が別の意味で参考になります。 

自分の経験、能力がどのように判断され、転職先の会社に具体的に貢献できるか
という基本に立ち返ることになります。





次回 「シニアの活用 その4」では、シニア世代別のシニア活用について取り上げて
みたいと思います。


座間 安紀夫

(株)ハート・クオリア代表取締役



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